石田 吉信

2015年4月17日 金曜日

ソロモンの偽証前後編を観て。

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宮部みゆきさん原作の「ソロモンの偽証」
八日目の蝉の成島出監督がメガホンを取った。

俳優たちは一万人オーディションから選ばれた藤野涼子さんはじめ、無名な中学生たちと、保護者や先生たちに永作博美さん、佐々木蔵之介さん、小日向文世さんなど実力派俳優が脇を固める。

前編後編で前編で事件編、後編で裁判編をやる。

14歳の少年の転落死から始まり、自殺という警察と学校が出した答えに納得がいかない生徒たちによる学校裁判。

全6冊の長編小説を2作に渡り、じっくりと描いた。。。。



以下ネタバレです。









じっくりと描けたのだろうか?

宮部みゆきさんはこの描き方で満足なんだろうか?
自分の伝えたかったものが「映画」という媒体に変換されることにあたり、「映画」の捉え方はそれぞれだから、と妥協してないのだろうか?
まぁ、実際のところ映画が出来終わって宮部さんに「これで世に出してもいいでしょうか?」なんて確認取らないとは思いますが。

物語を通して「伝えたいこと」が必ずある。
それが伝えられているのだろうか?

僕は読んでないので偉そうなことは言えないのですが、あえて言わせていただくと、原作にはもっと一人ひとりのバックボーンや感情が描かれている、という。
もちろん、全6冊を5時間ほどにまとめるので、表現したいスピード感を優先させれば描ききれないのはわかる。

でも、あまりに一人ひとりの人間、生徒に寄りきれていない。
もっと切迫するべきだ。

もっと自殺した柏木卓也君の死に切迫するべきだ。
どんな親で、どんな家庭環境で、どんな教育方針を受けていて、どんな日常を過ごしていて、何に自殺する決意まで追い込まれたのか。

そうじゃなきゃ、神原くんに自殺するまでに何故あそこまで酷い言葉を浴びせ迫ったのかもわからない。

三宅樹里の家庭環境にはある程度迫っていたとは思うけど、あのお母さん像がこれまでと今後どうなのか?どうしていくのか?が納得しきれない。

特に、もっと親に迫ってほしかった。
家庭教育の大切さ、子供と接することの難しさ、葛藤、無関心、後悔、
子供の性格形成について、もっと切迫してほしかった。

誰に何を伝える映画だろうか?
実証主義であるべきと?ロジカルシンキングの普及?
裁判とは?に関心を持たせる?陪審員に対する理解?

これは「僕の完全なる偏見」だが、
現代、家庭教育がなっていない。
子供との接し方を知らない、
子供に関心の薄い親が多いと思う。

自分が恥をかきたくない、
自分の人生が大切、
迷惑をかけられたくない、

そんなふうに思ってる親が多いのではないのかと思う。

片親だと何にコンプレックスを抱くのか、
親に振り向いてもらえないと子供はどうなるのか?
親に暴力を振るわれると子供はどうなるのか?

片親にしても、親が離婚したのか、それとも親が亡くなったのか。
どちらに引き取られたのか、その後愛されたのか。

そう、僕は幼少期の家庭環境で人格形成が決まると思っています。
これは世の中の「絶対」とは言わない。
でも、僕と考えが違うなら違う意見をしっかり持つべきだし、反論すべきだ。

特に世界に発信する映画監督ならそれくらいの哲学や思想を当たり前に持っているべきだと思う。

なので、まず現代に何を伝えるべきか考えるならば「教育、家庭環境とは?」ではないか?

そこが描かれきれてない。

これじゃ自殺した柏木卓也くんはただ性格の悪い子であの子が変人で悪じゃん?みたいな短絡的な感想で終わってしまうこともあるかもしれない。

「子供は親を選べない」

劇中にこんな台詞もあったけど、だからこそ、好きになれない親を持つ子供に明らかな救いや希望を差し伸べてあげられるものも入れてほしいと思う。

もちろん成島監督の狙いもあるでしょうし、ただの僕個人勝手な望みとの相違に過ぎないが、
とても苛つきを覚えました。

主演の藤野涼子さんは普通の子。
設定も普通の子。
正義心はあるけど、勇気のない子。
本人自身もインタビューを見ると普通の子。
この映画の中で開花することもなく、
今後に期待。


個人的な勝手な酷評、ここまでお読みいただきありがとうございます。
不快に思われたなら申し訳ございません。
一個人の感想なのであしからず。


石田吉信

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