石田 吉信

2015年5月 6日 水曜日

ザ・トライブ

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ロンド石田です。



全編手話で字幕なし、音楽なし、キャストは全員ろうあ者というウクライナ発の映画『ザ・トライブ』観てきました。



今年のカンヌ国際映画祭で批評家週間グランプリを含む3部門に輝いたほか、世界中の映画祭30以上の賞を受賞した衝撃作。

 主人公は、ろうあ者専門の寄宿学校に入学。そこは犯罪や売春などを行う悪の組織があり、主人公は入学早々彼らの洗礼を受ける。何度か犯罪に加担していくうちに組織の中でより高いポジションを得るようになるが、やがて組織のリーダーの愛人の一人で売春をやっているアナに執着し、組織における暗黙のルールを破り始める……。

監督はウクライナの新人ミロスラヴ・スラボシュピツキー。





映画を観て色々考えさせられました。

口にする「言葉」がなくても生きていけるだなと。

彼らは言葉を使わずに変わらず雄弁に伝え合っている。

環世界が違うだけで耳が聞こえる環世界と彼らのコミュニケーションはなんら変わらない。

音が聞こえない危険性は映画の中でずいぶんと表現されていたけど。

目が見えないことよりは安全なのかな。

耳が聞こえない環世界と目が見えない環世界は恐らく全く違う。

耳が聞こえない環世界は聞こえる人の環世界とそこまで変わらない。

でも、目が見えない環世界は見える環世界とは全く違うと思う。


耳が聞こえない環世界は聞こえる環世界に比べて情報量が少ない。

だから積極的に学んでいかなくては幼児性が残りやすいのかもしれない。

耳が聞こえない環世界よりも目が見えない環世界の方が耳も目も機能する環世界と近い環世界で生きている実感は弱いのかもしれない。

耳が聞こえない環世界よりも目が見えない環世界の方が見た目に不自由だからより多く助けられるかもしれない。

それに人の表情を見なくて済む。
声色はわかっちゃうかもだけど。

だから、耳が聞こえない環世界で生きている人は優しい人が多いのかもしれない。


ともあれ、耳も目も機能する環世界で生きていても前向きに生きるための声を聞き、
世界の素晴らしい部分に目をやらなければ、
何も意味がない。



この映画を観て感じることは山ほどあった。

でも、あまりに不思議な世界に圧倒されて支離滅裂で稚拙な感想ですね。スミマセン。


とにかく言葉の無い世界は「物音」に溢れていた。

そして、それが彼らには聞こえていないということが強く伝わってきた。

内容はろう学校版の極悪ヤンキー映画でストーリーなんて大したもんじゃないんだけど、

字幕なし、音楽なしのアバンギャルドな演出にとても感じることの多い作品でした。

ともあれ、純粋な少年性とはなんと激烈なものか。

思いのほか園子温作品ばりにとても暴力的な映画なので苦手な方はお気をつけください。




映画館を出てからなんだか街の「音」が鮮明に感じる。


石田吉信



投稿者 株式会社Lond | コメント(0)

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