吉田 牧人

2016年9月 6日 火曜日

姉Camが休Cam。

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20年近く前の話。

2000年代に入り、女子高生が時代を作っているように錯覚した時代があった。

錯覚というか、当時、小、中学生だった僕にとっては少し年上の“女子高生”という存在が本当に日本を動かしているんじゃないかって思えていた。

次々と流行が彼女達から生まれ、それが世の中に広まり、どんな分野も正にターゲットはそこだった。と、思う。笑
いわゆるギャル文化の全盛期だった。


そんなギャル全盛期が下火になってきた頃、一人の女子大生が現れた。

『エビちゃんて可愛い子よね〜。』

僕の母の言葉である。

僕の母は美容にはさほど無頓着だし、ましてやテレビ出演もまだないモデルさんに関しては尚更なはずだった。

けど、その言葉に僕は驚いたのを記憶している。

今になって思い返してもモデルさんの名前を挙げる母親はその時だけだったのではないかな、と。


そう、。その位、モデル“蛯原友里”は正に世の中のカリスマだったし、
専属モデルとしたCanCamとそのファッションは一大旋風となり爆発的な売り上げと人気を誇った。


それまで僕ら世代が体験した可愛いの文化といばギャル文化による派手さかアイドル的なキュートな可愛いさだった。その中に割って入る
僕ら世代がみるフェミニンファッションのアイコンだった。
(正確に言えば同じ位、押切もえさんもファンが多かったし、彼女はギャル雑誌出身ということもあってそのテイストの人達が移行したとも言えるけど、)

そんな彼女達CanCamモデルも大人になり、
(勿論、エビちゃんだけじゃなくて押切もえさんや高垣麗子さんなどなど、)
世代を交代し、新しくお姉さん系キャンキャンとして創刊されたのが約10年前ー。

そう、Ane Canです。
僕が美容業界に入って間もなくの頃。

当時僕はいわゆる赤文字系雑誌とは無縁のサロンにいたのだけど、
キャンキャンのお姉さん版としての破壊力は強くてその創刊は凄く印象に残っている。

僕は新卒で入社したサロンを辞め紆余曲折をし、中途採用して頂いたサロンで姉キャンと出会う。

ヘアスタイルの撮影ページだ。

僕は入りたてながら必死にモデルさんをリスト上げして毎号撮影に同行させて頂いた。


姉キャンの撮影は取り分け必死で、特別な思いがあった。

何故なら厳しい現場だったからだ。

編集さんライターさん、カメラマンさんにスタイリストさん、そして、ヘアスタイルを作る美容師。
皆んなが今をときめく人達ばかりだった。

一世を風靡したキャンキャン時代を作ったその人達が姉キャンにいたからだ。

だから求められるクオリティがとても高くて毎回ハラハラドキドキ、緊張感の続く特別な現場だった。

僕はスタイリストとして撮影に携わる事はありませんでしたが、
この姉キャンの現場が僕を成長させてくれたし、可愛いを作る事や、可愛いの見せ方、考え方、プロ目線と、読者目線(お客さん目線)
を考えさせてくれた。

その経験がスタイリストになってから、お客さんを担当させて貰うようになってから、
どれだけより身に染みて感じ、
どれだけ助けられただろう。

それにはその時与えられた環境だけでなくて、鮮明に残る一言があった。


『頑張ってる、なんて、当たり前だから。
頑張ってなかったらこの業界にいらないんだから。』


当時、同誌のライターをされていた方のお言葉だ。

飲み会の席で言われたこの言葉、今になってもずーっと憶えていて、
何か、悪い時も、良い時も、この言葉が指針になってるような気がします。

そんな事もあって、姉キャンの休刊発表、個人的にはとても衝撃でした。


僕にとってはそれがこの雑誌でありましたが、
今では、紙媒体が不況と言われる最中、これからもこういった判断がされていく雑誌は増えていくのだと思います。

勿論、売れなければ、スポンサーも付かないし、内容の充実は難しいし、、、と経営的判断で決していくのは当然なのですが、

そこにはそこにいた思いが詰まっていたり、
ドラマがあったり、本当はなくなって欲しくないんだよな〜とか、思ったり。


けど、そういう人達は僕以外にも沢山いて、それこそもう既に廃刊になってしまっている雑誌だって沢山あるし、
特別な思い入れを持ってしている人だってそれぞれにいるんだよな〜。


なんだか、とりとめの無い話を書いてしまいましたが、
姉キャンの休刊。
寂しいな、という話です。


Lond ロンド 吉田牧人












投稿者 株式会社Lond